2007-10-24から1日間の記事一覧

『はじまらないティータイム』原田ひ香

話に筋があり、読者を引っ張っていってくれる、そんな物語的マジックをこの小説は強く持っている。女性たちの性格的な色分けを強く出しすぎた面があって、ちょっと一面的かなという気もするが、そんな欠点も許せる気になってしまう。 卑近な話がテーマの中心…

『パワー系181』墨谷渉

体にコンプレックス(劣等感ではなく複合感情)を抱く、大柄な女性とチビ男性の物語といったところか。女性はそのコンプレックスをポジティヴな方向に変えていくが、男性は醜い方向に発散させていく。 男性がそうなったきっかけは妻が流産になったことにあり…

『すばる』2007.11 すばる文学賞

高校生の頃は目玉焼きにこだわりがありました。黄身が固まっていないとダメなのです。どうせなら両面焼きにしてくれとまで親に言った覚えがあります。 なんてアホらしかったんでしょう。 さいきんは黄身が固まっていようがトロリとしていようが、白身がカリ…