2007-07-19から1日間の記事一覧

『スケネクタディ』新元良一

自分の青春時代が変わってしまったことを感傷的に描くだけの内容で、メロドラマにもならない。 しかも不治の病の少年との交歓まで描くのだから、どこまでがフィクションなのか分からないが反則的でもある。事実ならば仕方ないのだろうが。 対象との距離の取…

『青春の末期』辻 仁成

辻の作品などわざわざ読むのは相当暇な証拠と思われかねないので言い訳すると、短篇だったから。たぶん読みながらあれこれ考える必要もないだろうし、サっと読めるかな、と。一応知られた作家なので、そうやってごくたまにチェックいれておくのも必要だろう…

『新潮』 2007.7 読みきり作品

昨日の話の続きになりますが、文学賞に関して、そもそも何を候補作にするか、っていうのもけっこう重要ではないかと。今回など特に顕著なんですが、年一回の三島賞より二回の芥川賞のほうの作品の方が質的に断然上なのは何故なのか、というと、候補作の段階…