『顔』丹下健太

読んでとりたてて何かを言おうという気にはならない、シチュエーション・コメディもの。とくに厭な気になることなく読み進められたから、よく書けてはいるのだろう。ある日、ムケてぶっとかった筈の自分のちんがぽ包茎で勃起しても片手に隠れるくらい極小になっていたら、パニックではあってもそれは器官(道具)の問題でしかなくいずれ克服できるだろうが、顔はたんなる器官ではない。その要素がもっと出てもよかった。