『錵(にえ)』藤沢周

あちこちで人員整理があって、日経などその手のニュースを見ないという日はないというくらいの昨今だから、平日の図書館にはこういう鬱屈した男が昔よりけっこう居るんだろうなあ、と思う。ただでさえ、団塊退職者がどっと出てきているのに。けっこうリアルでいいとこ突いているなあ。カウンターの人間じゃなくて、利用者自身が利用方法を他の利用者にあれこれ言って揉めそうになるところがとくによく描かれていて、面白い。まさしく今だからこその小説。