『ごく単純なこと一点だけ』山城むつみ

吉本隆明の追悼文なのだが、すごく研ぎ澄まされた文章に痺れる。ラストの数行がとくにすごい。前に載っているほかの論者のことを思いっきり否定しているのが更にいい。私は三浦雅士の文章を久々読んで、この人の文章ほんと嫌いだ、と気づかされた。
ただし、山城がここで書いた内容をすべて私の頭では理解したとは言いがたく、文章はすごいが言っていることは分かったとは言いがたい小林秀雄的なところがある。(あくまで私にとって、ですよ!)
ちなみに大澤真幸のは殆ど内容のないただの思い出話で、竹田青嗣のは少し考えさせられるところはある。