『群像』 2011.9 読切作品その2

さて年に一回はあるビッグマック安売り週間があと少しで終わりますが、私は一個しか食べていません。いつもこの値段のときしか買わないのですが、なんか年を重ねるごとに美味しさを感じなくなってきているのは、マックが変わったのか私が変わったのか。(たぶん後者。)


この間、水産物放射性物質を気にする気持ちは分かるみたいな事を書いてしまいましたが、NHKの番組を見て反省しました。牛などと違って鮮魚はどうしてもサンプルになってしまうのですが、加工品なんかは業者によっては殆ど全量検査といってよいくらいの検査しているんですね。たいへん失礼しました。


ユーロ危機については新聞で読める程度の事しか知らなかったのですが、このあいだギリシャ国債の価格が額面の3割近くになっていた事を知って驚きました。5割以上の利子つけても買い手が付かないような状態では、国債の新規発行は無理で、事実上破綻に近いじゃないですか。これが一般の会社であれば経営陣が退陣して(場合によっては裁判沙汰となり)、代わりに破産管財人が粛々と事業運営ということになるわけですが、でも一般企業ではないからといって、現代の政治問題の中心の殆どは財政問題といっても過言ではなく、それを自ら決められないような状態ではもはや終わりというか・・・・・・。
でもそもそも、ギリシャに対して西欧思想の源流=先進国的なイメージで判断するから余計に驚いてしまうだけで、実際のところは、トルコと恐ろしく険悪な関係だ地中海が綺麗だということくらいしか知らないんですよね。


そんななかで激しいデモが繰り広げられていますが、いくら騒いだってそれで金が(無から有が)生まれるわけじゃなし逆に自分の首を絞めてるよ、と正直全く思わないではないですが、それでも最近週刊誌を騒がせている日本の年金問題に比べれば、遥かに同情できます。(ギリシャの債務については、政権交代がきっかけで表面化し、国民がなかなか把握できなかったようですから。)
つまり最近、支給開始年齢の引き上げを政府が検討開始していることに、多くの中年男性層に媚びて詐欺だなんだのと週刊誌が怒っているのですが、こんな事になるのはもう遥か昔からさんざん言われていた事じゃないですか。現役世代の負担が限界だから、支給開始年齢を上げるか、開始年齢を上げないなら支給額下げるしかないって。
このカマトトぶりは、原発が危険であるのを薄々知りながら事故が起こると"安全って言ったじゃないか信じてたのに"と憤慨するのと似た構図ですが、原発の場合は、とくに立地においては、東電をほんとうに信頼していた人はいるわけで、それ以上のタワゴトですね。
ともあれ年金に関しては、年に何回もパック旅行できるようなご老人もいれば、年金でキツキツの生活で野菜はモヤシ中心なんて人もいるわけで、一律減額も容易ではないですが、経済が成長するというのが前提の制度はことごとく見直しが必要なんじゃないかと。