『【討議】いま始まる生存と創造』石川直樹+岡田利規+坂口恭平

小説は実験臭が強く、いまひとつ好きになれない岡田利規だが、すげーオトナの発言をしていて正直驚き、そして感動すら覚えた。
もう格差社会と言われて何年もたっていて、で、スマップの歌みたいに皆がそれぞれが花を咲かせればみたいな認識こそが一番の癌で、どうやったって咲かせられない輝けない人がいて、そういうひとにも場所をというのが課題であるはずなのに、それをまるきり分かってないひとが鼎談の相手だったから余計にそうみえるのかもしれないけど。
そうなんだよ。みんなが光を持ってるとか言う奴に限って、ある人が光らないのをその人の意思や努力のせいにするんだ。論理的にいって、皆が光を持っていればそりゃ正しいやり方をすれば輝けるはずだもんね。でも、たいがいその「正しい」やり方ってやつは、そいつ基準でしかない。現状だけでなく、そこの能力にも格差があるというのが分からない。やれやれ。
(例えば、私みたいな能力のない奴にも本を出させてあげようなんてのが、この格差社会の解決である筈がないだろう。そんな奴でも本を読む金すらなかったら余りに残酷すぎるだろうからその程度には何とかならないかってこと)