『ぼくは発音がしたい』今橋愛

題名と異なって女性の内省から成り立っている。その内容は凡庸で、語り口が工夫されていなかったら、最後まで読むのが辛かったかもしれないし、最後になって改心しそうになる気持ちとなるのがどういうきっかけなのか分かり辛い。
それに離婚して何もしていない主人公が、勤め人の群れをみて、みんなどうにかなってしまえ、と思う気持ちにも乗れないし、そういう気持ちを持つひとが、こんどは数々のカップルの生態には激しく当たろうとしないのもよく分からない。