『新潮』 2011.4 読切作品

最近手のひらにぽつぽつと吹き出物が出てくるのですが、何か悪い病気でしょうか?


ずっと書こうと思って忘れていたのですが、いぜん松波太郎氏の作品について書いたところで、今さら会津・長州もないんじゃない、とか書きましたけど、私の認識不足で松波氏にはお詫びしなければなりません。
原発以後福島のニュースをみる機会がけっこう増えて、つい最近も山口県自治体の人が来たとき、迎える福島の人が握手するのを報道陣に撮られる事に躊躇があったというのを目にしたのです。やはり暴力を行使された方の記憶というのは、そう簡単にはなくなるものではないようで、それ考えると、「中国の人はいつまで戦争犯罪のことを」とか言ってはいけませんね。日本人が戊辰戦争のころの記憶を残しているのなら、それより遥か以後の戦争の記憶が中国の人にも残っているのは当たり前で、中国の人は執念深いなあ、なんてとんでもない言い方という事になります。
そこでなされたことが違うんだっていう逃げも論理的には可能でしょうが。