『マグニチュード』円城塔

はいはい毎度科学薀蓄ありがとう、といいたくなるが、今回の特集で最も想像力の貧しさを感じさせるこの作品がもっとも近く2030年を占っているのかもしれないね。
しかし改めて、読みきれない小説だとか自動スクリプト?だとかそんなものが存在したり、あるいは存在したらと想像したりすることに、何ひとつ面白みなんて感じないんだけど、ほんと何が面白いんだろ。素数の出現パターンがどうだとかそんな話に殆ど興味が湧かないのと一緒だな。
それに比べたら、いや比べられないか。鶴見俊輔司馬遼太郎を評価していることの方がよほど面白いなあ。きっとそのくらいアンチ帝国陸軍というのが鶴見には染み付いているんだろうけれど、この染み付きは全く固有のものであって、公式が、方程式がないからね。