『創作・遠野物語異聞』

ひとつひとつ書くほどの長さではないのでまとめて。
短編として村田喜代子のものは水準クリア。挿入される作り話?はありがちな年寄りを捨てる話だが、リアリズムのなかで言及する事によって、その境界の曖昧さが際立つような。
皆川博子。15才で剥ける、とは何? 数え年でいくと初潮年齢にちかいかなと思うも、「剥け損なう」人もいて何の事やらよく分からないが、農村の情景描写は秀逸。
日和聡子のがオモロない。女がいきなり現れ封書を預けるという妖談めいたイントロがいかにもありがちで退屈だし、昔の知り合いがいきなり出てきて、そこでの会話の始まり方(いきなり、「何年になる」)もかっこつけすぎで、これ以降読む気が萎える。