『新潮』 2010.6 読切作品

さいきん心が荒み気味の理由のひとつに、真夏が近づいていることが挙げられます。
ただただ暑いのが嫌だというのが、一番の嫌であることに違いはないのですが、花火大会だの盆踊りだの、クリスマスのように毎年やってくる行事もさいきんは嫌で仕方がありません。また、何の、さしたる成長もないのに年を重ねた憂鬱さ。これを思い知らされると同時に、とるに足らなかった過去を反復させられてしまうのも嫌で。
競馬で、毎年やってくるダービーとか菊花賞には何にも感慨が起きないのに。


今日も短く。