『1968から2010へ』高橋源一郎×小熊英二

文學界』でいちばん面白かったページ。なかでも小熊英二が、吉本隆明への自身の評価がなぜ低いかを、臆面も無くバラしてしまう所が面白い。なるほどそういうひとつのルサンチマンめいたものがあったのね、と。
この対談、終始高橋源一郎に飲まれていて、つまりはそれは、あの時代を語ることに関して高橋源一郎がいかに真剣であるかを示していて、外部から言及した人とは気迫がもう異なっているんだろうなあ、と思う。高橋の相手への言葉使いは、他の人との対談と相変わらず、言葉使いはソフトなんだけれど、もし言葉使いひとつ変わればクギをさしているものになっていた感じすらある。