『秋田さんの卵』伊藤たかみ

数少ない私が読んだ伊藤たかみの書いたもののなかで、いちばん人物が生き生きしているのだけれど、それはきっと伊藤たかみが、前々から私が薄々感じているホモソーシャルな心性と近いものを持っているから?なんだろうか。などと考えてみたがはてさて?
というのは、入院生活をしている男性どもの男性同士の会話がじつに軽妙で良く描かれているから。そしてこの小説のいちばんの特徴である、数多い注釈の内容もなかなか面白い。
しかし肝心の付添婦の心情はいまいちよく分からないものだったなあ。