『カフカ式練習帳』保坂和志

この、何について書こうとしているのか全くにわかには分からない感じが、文学的という事なんだろうか?
どうも群像の連載にしてもそうだが、物理的には結びつかない事象が言葉によって結びつくみたいな、言語を前提にした主観主義(主言語主義?)みたいなものにこの作家は拘りを感じているのだろうか?まあ、面白い人にとっては面白いのだろう。
また、小説なのだからその中での内省にあれこれ文句を言うのも意味ないかもしれないが一応。カラスの知能はスズメやモズなどより確かに高いかもしれないが、鷹のように人間が使役できるようになるくらいの鳥もいるくらいでそんなに格別な事はないし、カラスはビー玉とか光物にいかにも興味を持つような行動を取ることは知られているが、カラスは断じて「恋」などしないから。まあ、ゴキブリの、攻撃する人間の動作を伺っているだけの様子を、考えている、と捉えるようなものだね、こんなのは。