『シャトー・ドゥ・ノワゼにて』諏訪哲史

フランスの田舎を旅する新郎新婦の話。主人公である新郎の内省と、「」でくくられる現実の新婦との会話だけでなく、《》で想像上の会話を新婦と交わすのが面白い。こんな小品であってもありきたりな普通のものは諏訪氏はやはり書かないのだ。
ただしせいぜいが男と女だけが存在するかのような世界での会話であって、読みながら、もういいよお愛してるのは分かったからさあ、とやや退屈であることは否めない。あるいはヨーロッパ的な風景が楽しめるのならば少しはこの作品の印象も違うのだろうか。


以下、おまけ