『尻の泉』町田康

さいきん私の中でどんどん詰まらなくなっている作家。私が変わったのであって、ニセモノの世界で世間に妥協してつまりニセモノとして生きると碌なことがないよ、というこの作家のモチーフは相変わらず(に見える)。
このような単純な二分法で世界を考えることじたいに、もう私は入り込めない。
ところどころにある独特で唐突な表現に面白さは相変わらずあって、それがなければ読むのも辛いだろう。