『殴る女』荻野アンナ

料理番組でお見かけしたような気がする荻野アンナ。料理自体はおいしそうなものだったがさて小説はというと、連作と題されているものを今作しか読まなかったので実際何も評価はできない。
ではなぜここに書いたかというと、勤務先として気楽に州兵を選んで働いていた女性たちがイラクへ派遣されることになって、でPTSDになって帰ってくるドキュメンタリ、私も見たから、ただそれだけである。
このドキュメンタリを見たところで、イラク戦争が国際的な合意が問題視されるような無謀な行動であるという基本は揺らぐこともなく、そういう基本を忘れたかのように、侵略者の側(アメリカ女性)の精神的乱調になど同調することなどありえない。だが、この小説に出てくる女性は違う。そのアメリカ女性がかわいそうでTV局に手紙まで書いたという。別に作者と同一でもないのだろうが、全般的に食の問題だの政治不信だの、TVばかり見て、でそれが世の中の全体と感じて、文句ばかり垂れている人々が出てくる小説という気がした。つまりは、臭いと舌先を信じて賞味期限などあまり気にせず、加工食品はあまり買わず、たとえば2週間前に買った豆腐だろうが加熱して冷やせばノープロブレムな、テレビや新聞をあまり見ない私には無関係な世界。
食の問題でも騒いでるのはメディアだけで、一般人の多くは結構冷静なんじゃないかとも思うけど、冷凍食品は売り上げ減ってるらしい。今の売り上げがもともとと考えれば、つまり、減っていいんじゃないでしょうか冷凍食品なんて。コロッケとか餃子作るの面倒なら、そのままひき肉炒めたり、芋はただ煮ればいいんですよ。アメリカのダイナーなんかそんな料理ばかりでしょう。ってなんの話だっけ。小説から離れてしまった。


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