『随想』蓮見重彦

(「見」と「彦」の字体がコンピューターでは表示されないのでご勘弁を。)
内田樹を強烈に皮肉ってるのだが、これだけを読む限りは蓮実の圧勝という感じで小気味良い。内田ってこんな下らない事をブログで書いてたのか!と思うもん。
蓮実氏は、ノーベル文学賞なんてただの行事にすぎないのだから反対したり賛成したりなんて無意味といっておきながら、受賞者予想の掛け率などノーベル賞をめぐるあれこれについても詳しく知っていたりする。このへんは矛盾というより、学者らしい精緻さなんだろうと思う。
村上春樹について、「自分への懐疑が希薄」という蓮実氏の評価もうなずける。ただ私は村上春樹は、言葉に関してはものすごく神経使っている人だとは思うので、一概に否定する気持ちを持たない。ただ、あれほど言葉に拘る人がモノローグに埋め尽くされた退屈な作品を書いているのがすごく不思議なのだ。