『文藝』 2008冬

絲山秋子氏が「作家になりたいのならこれだけはしておけ」と問われたときに、「就労体験」と答えたのが、ずっと頭の中に残ってます。
むかし柄谷が、物を売ることを「暗闇への跳躍」と書いていたような覚えがあって、それに似てなくも無いな、と。
つまり仕事へ就くことも、「他者への跳躍」なんじゃないか、と。
労働によって精神に異常をきたすこともあれば、労働が他者を、他者あっての自分を見出すこともあるのではないか。


とはいえ失業率が改善するような事態はこれからあまり期待できないんですよね。
先日いった大型電気店とか、パソコンコーナーなんか人が一人もいない。産業のコメといわれる半導体はべつにパソコンだけに使われてるわけじゃないですけど。
ウィンドウズ95の頃は、パソコンは電気屋の稼ぎ頭で、日立とか三菱とか国内メーカーがこぞって自社ブランド出していたのを知ってる私としては感慨深いものがあります。ツクモもなくなりそうだし。


あ、そういえば文芸誌発売日に、いつもとは違う書店に行って『群像』の現状が分かってきました。
発売日なのに置いてないのです。なのに、『文藝』は平積み。季刊とはいえ発売日からけっこう経ってるのに、この違いは何なのか。
というわけで、今日はその『文藝』。