『カデナ』池澤夏樹

悪印象しかなかった911テロの陰謀論いらい池澤夏樹のことを信頼しづらいのだが、今回も結局はどうせ反米的な小説だろうなあという先入観がどうしても拭い去りがたく、なかなかこの小説に入り込み辛くはあった。ただそういう個人的な理由から離れても一般的な意味でも広がりが少し足らなかったのではないだろうか。
どうせならパトリックの子供を宿して、メロドラマ的に盛り上がってしまった方が中途半端さがなくてよかったかも。