『連続するコラム(20) 鹿野武一をめぐって』山城むつみ

なぜ完結するのか事情はよく分からないが、新潮の評論のなかで山城さんのものがいつも一番面白かったように思う。ただ今回はむしろ題名的に「石原吉郎の潤色をめぐって」にしたほうがより人目をひいたのではないか。
大空襲や原爆体験やオキナワにくらべて、外地で加害者だった者のその後の悲惨な体験はどうもあまり語られていない気がする。