『心はあなたのもとに“I'll always be with you, always”』村上龍

初回からいかにも恋愛小説的な内容だけど、主人公の男性は「勝ち組」である。金融関連業をハードに営みつつ、くつろぎとしてシティホテルのスイート取ってそこに娼婦呼んだりする。また、他人の心のある部分を読みとれる(感じ取れる)能力を持った、あるいみスーパーマンでもある。(といってもSF的なものではない。そういう色彩はゼロ)
こんなんで読者の共感を得ることができるのだろうか。
って、共感なんか得ようとしていないのか。
龍さんも、世界の中心で〜とかああいうのの存在にイラついていて、俺の方がぜんぜん良いもの書けるだろ、もう体中の水分が抜けてしまうくらい泣ける奴書いてやろうじゃないか。という気持ちで始めたワケではやはりないんだろうな。


文章はしっかりしつつ読みやすいし、主人公はともかく、その相手の女性(もうひとりの中心人物)はなかなか魅力的なキャラではないか、と思う。まあ期待できそうな印象。