『決壊』平野啓一郎

相変わらず、高いテンションをキープ。記憶している限りでは、裏切られたというかイマイチだな、という月がない。
ここで起きたメッセージめいたバラバラ殺人が、先月号での教唆によるものなのかどうか。これが、殺されたのは誰かというのも含めて非常に気になる所なんだけれど、今月号は鬱の主人公の父親の心情や、それに対する母親の心情の描写が私にとってはメインともいえるリアルな綿密さで描かれている。
描写が、ひとつひとつ綿密でいながら、なにひとつ無駄がない、そういう印象。とにかくスゴイ、面白い。