『GIブルース』岡田睦

いやこれはなんという作品だろう。
作品中、作者のエッセイが文学誌に載ったようなハナシがでてきて、どうにもこれはワタクシ小説くさいのだ。
作者が入寮しているのはどういうところなのかイマイチ予備知識がなく分からないのだが、何か私的な援助ホームみたいな所なんだろうか。
そこにでてくる人物がどれも面白く、いややっぱり現実というのは小説と同じかそれ以上に面白いもんなんだなあ、と感心してしまうのであった。
作者が散歩にでかけて、桜の花が咲くところを描いたところは、絶品の味わいでしたねえ。
この作者の単著が出たら買うところまではしないけれども、作品が文芸雑誌に載っていたら、またこれは読んでしまうだろう、真っ先に。


さいきん、こんな貧乏というか、最低生活周辺を描いたものに惹かれてしまう。