『花婿のハムラビ法典』津村記久子

津村記久子さん、最高ですね。
私はなによりこういう凝ったところのない普通の文体で書いてくれる人が好き。
この主人公男性のつまらないどうでも良いことに拘ったりするところや、それで予想通り女性の側に振り回されてしまうところなど、今の現代の男性の弱弱しさがとてもよく出ている気がする。またそれと対比するカタチでの現代の女性の勢いの良さと、その裏に隠れた、ときどきの男性以上に弱いところなども。
ブリーフに白衣の男と赤鬼の格好をした女性というのは今思い出してもちょっと笑えてきて、とにかく私にとっては津村さんは傑作以外書いていない。
まだ2作品しか読んでいないんだけれども。
めったに会えないんだけれどもお互い長電話してそれがとても楽しい、みたいなのってありがちだよなあ。
いまのカップルって、みんなこんなふうに女性化したような付き合いをしているんだろうなあ、と思う。
口下手の男性は敬遠されてしまうのよ。お笑い芸人もモテルようだしね。