『ダンシング・ヴァニティ』筒井康隆

期待しないで読んだのだが、あまり面白くなかった。
全然やっていることは違うのだが、ディックの『火星のタイムスリップ』を思い出した。
並行宇宙というほどのものではないが、主人公を含む情景が劣化したような形で何度も反復され描かれるといった内容で、正直、少しも面白いとは思わなかった。(唯一、何度目かの反復で父親がすでに座っていたところは笑えたけども)
こういう虚構小説みたいなものは、昔ならそれなりに面白く読んだのかもしれないが、今はあまり興味がもてない。
だから、今回の評価は私的好みの度合いが非常に強い。
したがって、この作品を面白い、優れていると評価する人がいたとしても、そういうのはあっていいんじゃないかと抵抗なく受け止められる。