2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ウィンタータイム・ブルーズ』桜井鈴茂

先鋭的でアバンギャルドなロック好きらしくそういう名前がけっこう出てきて、最後に、ブコウスキー。なんというかいわゆるサブカルチャー好きの人が書いたサブカルチャー好きの主人公の日常という感じである。ちょっとハードボイルド入ってるこういうものに…

『原形を留めていようが、いまいが』GraveGrinder

例によって恐らくこれがこの作家の作風なのだろうが、そういう内容であって、いきなり死体が出てくる。ただし、カジュアルなグロという所か。身の毛のよだつ、というか寒寒としたものを読むものに感じさせる所までは至らない。これならば、相手が自殺をする…

『この冬…ひとりじゃない』木下古栗

黒人がポテトを食べる所から始まって最後まで全編面白いなあ。短編でこれだけ面白いのは滅多にない。放便と近所の家でおきた爆発が重なるところとか、わざわざ閂かけてトイレ掃除をしようとするコンビニの礼儀正しい店員の暖かい眼差しとか、最高です。中高…

『不時着』荻世いをら

評価不能。誰かに後をつけられてる所はなんとか読めたが、その人物が誰かが判明し会話するところで、その会話の不自然さについていけなくなる。評論・エッセイ系はともかく小説については、最後まで読まないで評価するのも不適当かな、と思っていて、という…

『オフェーリアの裏庭』海猫沢めろん

構成のよく分からない小説。最初の、3人だけあたまわるい人としてピックアップされたことがあるという昔の生徒時代の回想から入るのだが、結局日本の田舎にいかにもありそうな怪しげなアクセサリーの店を尋ねる話がメインで、前後の繋がりがよく分からない…

『群像』 2008.4 新鋭の短編何本か

最近あまりにも野球に関心が無くなってるので、ヤフーニュースで「桑田引退」の文字を見たとき、ミュージシャンの桑田佳佑の事かと思いました。(正解は桑田真澄) でも、ということは、桑田佳佑の印象も弱くなってたんですね。 短い作品ばかりなので短めに…