『三姉妹』福永信

この作家、どちらかというと文「芸」の人と思っていて、内容どうこうというか、訴えたいこととかそういうのよりも、読む・書くこと自体へのテクニカルな楽しみがこれまでの作品では追求されていて、そういう指向のひとには多分評価は高いのだろうけれども、何も残るものもなくイマイチと思っていたが、今回は少しアホらしさ方向に突き抜けた感じもあり楽しめた。
「あらすじ」が本文よりも詳しいというところにまず皆食いつくと思うけれども、起こっていることも携帯の代わりに貝殻の声を聞くだとか、ベットの足がずれてどうだとか普通はこんなことかかねーだろう的馬鹿らしさの極みにある。