『新潮』 2011.2 読切作品

いやあ。冬もいよいよ終わりですかね。買ってきたものをすぐに冷蔵庫に入れなくて済む、大好きな季節なんですが。


なんて季節の話題とか書いても乗れない人多いかもしれません。震災後、どこか日常の感覚が戻らない、というか。
いわく、「3・11以後」世界が変わってしまった云々・・・・・・。そんなジャーナリズムがいかにも好みそうな言い方はバカ臭くて絶対したくないんですが、この国にとって敗戦後いちばんの衝撃であったことは間違いないでしょう。
私もいつも吸っているタバコがコンビニから消えていたのがとりわけショックでした。


なんて言っていないで多少真面目に書くと、私も凡人ですから、何かが前と後で違ってしまっていて、あれほど欲しいと思っていたニューバランスの靴が、なぜ欲しかったのか分からない。あるいは、ふとしたときに、震災を含めて震災以後起こったことが実際に起こったことなのか少し感覚がおかしくなる。リアリティを失ったとでも表現すれば適当か分かりませんが、こんな感覚を覚えるのはあまり記憶になく、さいきん職場で自分の名前を記入していて、「自分」が「○○」という苗字をもつことが、なんか不思議な出来事に思えてきたりしているのであります。


この項続く。かもしれないし、そうでないかも。
まだ原発終わってないんですよね。「出来事」は進行中なのです。