『小指が重くて』青来有一

南方での戦争体験が出てくるが、こういうテーマなら、最初から最後までそのものずばりで終始書いた方が良いと思うわ。記憶で書いてるが、登山だとか、昔の女性への想いとかじゃま臭い。なんか無理に現代に重ねたりして、あの体験を語り継ごうとか思ってたりするのかなあ。そう簡単には、あの体験は分からない。そこからスタートすべき。「あのね。これはね。体験したものじゃなきゃ分からないですよ」って言うもん、80、90の人達みんな。彼らのその言葉の方がよほど重いよ。