『すばる』 2009.9 読切作品その他

ちょっと堅い話をしますが、民主党の高速道路無料化って、どのくらい支持されてるんでしょうね?
民意は自民党にNOを突きつけたかっただけでしょうし、民主党にはもっと生活に直結する重要な政策(とくに農業・教育関係など)がありましたから、民主党に入れた人は主にそういう所を気にしたでしょうし、高速無料化に賛成しない人も居ておかしくないと思うのですが。
無料化によって高速料金でまかなっていた莫大な維持費を、クルマに全然乗らないような人まで負担する可能性が大きいんで、普通に考えれば我慢できるようなものではないと思います。極端にいえば、チューンアップして夜中にバリバリ近所迷惑しているような人を楽しませるために、クラッチというものが何なのか知らない人も税金を余計に取られるわけですから。電車とバスしか利用しないマイバックのエコ主婦の人とか平気なんですかね?いやもちろん走り屋と言われるような人なんて全体の割合からみれば少数ですけれども、ドライブだのあるいは私のようにツーリングだのを趣味にする人は相当いるでしょう。そういう人達に遊ぶお金を提供しているようなものだと思えば、ちょっと待てよ、となってもおかしくないでしょう。
つまりは、理屈上は受益者負担が正しい考えなんじゃないかと思うのです。利用する人が維持費を払う。
このことに関して、久々にまさしく屁理屈だよなあというような屁理屈を目にしたのですが、それは、高速無料化で、宅急便の値段とか下がるかもしれないし、遠方から運ばれる野菜とか魚の小売の値段にも反映してくるんじゃないの?だから、クルマを利用していない人だって無料化の恩恵はあるはずなのよ、つまり皆が受益者なのよ、というものです。
これは変な話です。だって、ドライブが趣味の人も宅急便の料金が下がる恩恵を受けるわけですから。したがってドライブが趣味の人が、クルマに興味がない人より、更に一段受益してるのは間違いありません。しかもその一段は、クルマに興味がない人が受ける恩恵などより遥かに大きなものです。
で、ここまでの話で、私も高速無料化に反対していると思われるかもしれませんが、実は、最近行われている高速1000円で地方への観光客が微妙に増えているという話があります。私は、都市に職場と住居があるだけでもうそれは恵まれているんだという考えですから、こんなふうにして、少しくらい都市から地方への所得の移転があっても良いんじゃないか、と思ってます。