『群像』 2009.6 群像新人文学賞受賞作

めずらしく3日連続で書きますが、とくに変わった事があったわけでも、考えが変わったわけでもありませんので念のため。


昨日録画した『新日本紀行ふたたび』を見ていたら、奥泉光氏が『文學界』のエッセイで冨田勲の名前を挙げていた事を思い出しました。
新日本紀行』のテーマはしかし、いつ聴いても聞き飽きることのない傑作ですね。間違いなくこのテーマ曲があるからこそ、番組で描かれる情景や人間模様が人一倍心に染み入るものになっていると思います。
冨田さんのなかでこの作品がどのくらいのレベルのものなのかは、氏の音楽に詳しくないので分かりませんが、少なくともドキュメンタリー関連のテーマ曲の中では最高のものでしょう。


で、奥泉氏といえば同じエッセイのなかでマエストロとしてエリック・ドルフィーを挙げていたのですが、『すばる』で新作が発表されている新作は、まだ読んでないのですがペラペラめくった感じ、ちょっと実験的な感じなんでしょうか?ドルフィーならぬオーネットコールマンにならないように、と思ってしまいます。
どうせなら奥泉さんには、ドルフィーなんて小さい事を言っていないで、人気の面でも作品のクオリティでも常にトップでないと気がすまなかったマイルスを目指せとか言いたくもなるのですが、ところで、今の文学界でマイルスといったら誰になるんでしょうか。やっぱ大江さんなのかなあ。どうも私にはマイルスほどには親しめないんですけれども。