『すばる』 2009.6 読切作品ほか

えー何やら麻生とかいうテレビでよく見かけるダミ声の人が吉祥寺の駅前で「戦うべきときには戦わねば」とかふざけた事言ったようですが、同じ時間に吉祥寺を散歩とかしていなくて良かったなと思います。もし出くわしていたら、「お前が先ず行けバカ」とか、大きな声で叫びはしないだろうけど、周りの人に聞こえるくらいの声では毒づいてしまい、周りから白い目を注がれていたかもしれません。
しかし何やっても内閣に支持が集まらないので外に目を向ける、こういう戦術が今回も有効なものとして働くのでしょうか。今はまだこの光景は単に滑稽なふうにしか見えませんが、ヒトラーだってベルリンの人達にとっちゃ最初は滑稽だったかもしれないのですから、一定の用心はすべきなのでしょうか。
そんな事はないだろうと信じたい所です。
なんでかっていうと、北朝鮮を屈服させたところで、現在の大不況を緩和させるという意味ではほとんど寄与しないのではないかと思われるからです。大陸進出(満州建国、朝鮮併合)のころは、それはもうそれは日本国内の人余り、失業問題の解決策として大歓迎されたのですが、そういう状況ではありません。今回は誰も救いやしない、そんな事は多くの人は分かっているだろうと思いたいですね。
ただ、そんなに昔ではないつい最近も、イラク戦争のときのような明白な経済的依存があるときはそれに簡単に屈してしまったのですから、あまりタカをくくらぬ方が良いかもしれません。
最近そういえばと気付いてしばしば自己嫌悪に陥るのですが、イラク戦争のときの状況ってナチス時代のドイツに知らず知らず近づいてしまってはいるのではないでしょうか。自分達の食い扶持に一所懸命でユダヤ人の苦境を見てみぬふりをしてしまった状況と、イラクなんかアルカイダと繋がりもないし大量破壊兵器もないだろう事を薄々分かっていてアメリカの行動をただ眺めてしまった状況とが重なって見えて仕方ないです。どちらも結局経済の前に屈しているのです。つまり、フセインみたいな奴は何を措いても打倒しなくちゃと愚直にアメリカの理屈を信じた人よりも、懐疑的に思いつつも結果として黙認した私のような人の方がきっと罪は重いのでしょう。
しかし世論調査というのもまた怖いもので、その結果を見ると北への制裁強化に賛成する人多いですが、銃を持つほどの覚悟で答えてる人など殆どいないと思われるのに、外から見ればとても威圧的に見えるような気がします。
かといってその中に、どれほどの覚悟がありますかなんて質問もできませんし。覚悟なんてないのにあるような答えが出てきちゃうだろうから。


手短にいきます。