『横光利一の旅愁』関川夏央

戦前のころ、ベルリンオリンピックなどでこんな事があった、横光はそのときこう行動した、というのを淡々と書き綴るだけで、余計な心理描写を一切していない所が特徴か。そういう意味で上記長島作品よりもあの時代とかに興味がないと楽しめない傾向があるが、一方、なんか起こりそうかもという雰囲気はこちらの方がある。ただし昔、谷口ジローとやった明治文豪シリーズをあまり楽しめなかった私としては油断禁物。