『新潮』 2008.8 連載作品

小谷野敦氏が、楊さんの芥川賞作品を史上最低と書いています。気持ち分かりますけど、いちばんに思ったのは相変わらず勇気あるなあ、ということ。
本来なら高橋源一郎だって、こういうふうに異議を唱えるべきなんだろうなあ、と思います。文学を生き延びさせる護送船団的決定に対してもっと抵抗する人がいてもいいと思うのですが、もしかしたら、目立って抵抗する人がいないということはむしろ文学がまさしく終わってることの証明かもしれません。
この辺は自分でもよく整理できてないのですが、近代というのは自己言及的で「近代を疑う」ということは近代の大きな特徴なのですが、そういう意味での近代文学は終わってるかもしれないのに、近代的自我は生き延びてる気がするんですよね。ケータイ小説とかラノベとかに出てくる人物が近代的自我から逃れてるとは思えないんですが。