『文學界』 2008.7 評論

なんか最近、生真面目な作品批評ばかりになってるので、以前やって評判の良くなかった文芸誌最新号素描などをして風通し良くしておきます。

群像
・侃侃諤諤が島田雅彦ネタでかなり力が入ってますが、いや良くここまでやるよって感想だけでもはや笑えません。
・鼎談の合評に奥泉光氏が復帰。批評軸がワンパターンですが、逆にいうとブレが無いわけで毎月ココから読むことになりそう。
安藤礼二さんの『近代日本思想史』は文芸ジャーナリズムでは取り上げられることの少ない半ば無名な、しかし思想史的には重要な人を取り上げていて、非常に面白い回があるものの、ときに文章が修飾過多に感じることもあって、そこに興ざめするときがあります。
中島義道純粋理性批判を噛み砕く』・・・カントを噛み砕くではなく、ほんとに『純粋理性批判』を噛み砕くなので、まあ文芸誌に載るくらいだから丹念に読めば面白いのかもしれませんが、原文の翻訳読むだけで疲れてしまい連載三回目以降パスしてます。
・新連載がどれも純粋な小説というよりノンフィクション系でがっかり。
・創作のメンバーも新味なしです。

文學界
東浩紀の連載が始まりました。タイトル通りの脱力系です。文芸誌に力こめて書いちゃうような人への当てつけという側面も感じます。
・巻末の同人誌評が終わるようです。部外者にとって全く無意味なコーナーでしたが、どれだけの人が読んでたのでしょう。
・創作に綿矢りさ青山七恵登場。受賞第一作は出身誌に義理を通していよいよ他誌でどんな作品がという興味大。こういう号が売れないなら名実ともに純文学はダメってこと。

新潮
・間宮緑?WHO?
・今月号楽しみなのはファントム、クォンタムだけかな。もちろん高村薫の連載は別格だけど。
・祝!『関係の化学としての文学』斎藤環終了。この人、文学好きでこんな仕事してるとはいつも思えなかった。

すばる
・とくになし(ここでも横田創の名前が・・・)