文學界の連載など

やっと『常夏の豚』のアウトラインが見えてきたというか、これは矢作俊彦のニッポン百景にも通じる地方都市の滑稽な光景を映すもので、様々な光景を複数のトピックを通じて綴ってくものなのかな?で、地方の方こそがむしろグローバリズムの真っ只中であることが実感できるかのような光景が広がっている、と。テーマとしては非常に面白い。
『心はあなたのもとに』『ドンナ・マサヨの悪魔』『海峡の南』のなかでは、ドンナ・マサヨがやや面白い程度かな。村上龍の小説は、ひょっとしたら、素人が考えてるほどエグゼクティブな人達と言うのは狂気っていうほどではないし余裕のある普通の人たちなんだよ、ってことを書いてるのかもしれないが、そのせいか話自体つまらない事この上ない。愛人を三人も抱えていながら、まったく他人の悪意に晒されるような状況にならないというのは、やはり信じ難いのだ。
伊藤たかみは始まったばかりでなんとも言えないが、主人公の男は村上の主人公以上に鼻持ちならない気取った奴で、よほど話が面白くならないと読んでいて不快になるばかり。