前田司郎のエッセイ

ひとりよがり、というと悪くいいすぎになるが、なんか自縛状態というか、自分の力で考えようと思いすぎというか。この人の問題意識からして、どっかの大学の文学部哲学科でも入ってウィトゲンシュタインとかあのへんの言語哲学的なものを研究してりゃいいんじゃないか、と思ったりもする。前田氏にとって、よほど時間を有益に使えるんじゃないかなあ。
またこの人の場合あまり格好つけない素の自分を出しているようなところがあるけど、それじたい少しウソっぽいというか別の意味での格好つけみたいな雰囲気がして、読んでいてあまり気持ちがよくない。
そういえば『文學界』の月評のどちらかの人が群像の先月の前田作品を「冗漫」と表現していたが、我が意を得た気持ち。