『ピストルズ』阿部和重

これだけ連載の最初から読み直していたので、ここに書くのが遅れた。なぜって最初のうち隔月掲載で内容ほとんど忘れてしまっていて。
でまあ普通に面白いんだけど、この先、この神町の歴史がどれほど語られるかによっては、私的にはもっと面白くなりそう。政治にまつわるモロモロの事ってけっこう面白いと思うんだけど、最近の純文学にはあまりでてこない気がするし。


しかしこれを読み終わって思ったんだけど、群像の連載ってなんか短く感じるんだよね。実際の枚数は一緒なのかもしれないけど。
今月は5作品のうち、ストーリーが動いたなと思えるものは『あまりにも野蛮な』くらいであって(予想以上にミーチャのだんなが不機嫌であるという重大事実)、骸骨庭と宿屋などここ数ヶ月ほとんど動きがない印象すらある。
このピストルズはそれに比べたら毎回いろんな新事実が出てくるから、それはいいんだけど、まだ思わず引き込まれるというところまでは行っていない。まあ、登場人物と舞台設定がほぼ終わった段階の小説に、あれこれ言うものでもないのかもしれない。