『メディア・フィロソフィー』高田明典

今回はいじめがテーマ。
高田さんはアマゾンで見ると一見、入門書ばかり書いている人みたいで、入門書ばかり書いていると軽視されがちなのかもしれないけれど、いやいや、今回もなかなか読ませる。読ませるどころか、目ウロコ落ちと言っても良いかも。
正確な引用ではないかもしれないけれど、今回は、学校なんてのは社会の縮図なんかではない、というのが非常に良かった。
確かにその通りなんだよなあ。同い歳の者だけを一箇所に集めて集団生活をさせるなんて非多様な世界は、この社会の中には学校以外ないんじゃないか。一般社会より遥かに逃げ場のない、同質的でイジメの起きやすい場所なんじゃないだろうか。集団生活を学ばせる場とかもっともらしい言い方が、一般社会よりも厳しい環境に子供を閉じ込めてしまう様に働いてしまっているのだ。
いじめに遭ったなら学校に行かなければ良いという解決法に対して、肯定論者と成ってしまってるような人(今までいじめにあった事がないような人が多い)は、"そうはいっても実社会に出ればもっと厳しいんだから、慣れておく必要があるだろう"なんて言いがちなんだけどね。