『太陽を曳く馬』高村薫

いやはや物語がまったく進まなくなってきました。それで今回は[普通]に下げようかと思いましたが、それでも考えてみたら、やはり、何かあるかもしれないといつも2番目に読んでしまう作品であり、それは暫く変わらないだろうなあ、と。
今回も旧かな使いの文章を比較的長めにもってくるという事で、高村氏の意気込みというか、この作品にかけるパワーみたいなものは伝わってきます。
そのなかで絵画論めいたことが語られたりもして、なるほど抽象絵画についてそんな見方もできるのだな、というのは確かにありましたね。
ただ、主人公の刑事さんまでが絵をみたいなどと独白したりして、ちょっと彼のキャラガ掴みづらくなった感じはします。
暗いということは相変わらずなんですが。