『常夏の豚』矢作俊彦

これを目当てに文學界を買ってはみたが、まさか主人公が豚だとは思わなかったなあ。
いきなりスピード感のある展開で、矢作俊彦ファンには受ける作品かもしれない。
で肝心の、主人公が豚であるというのが、この後この連載第一回目以上になんらかの意味があるものになっていくのだろうか？ならないのであれば、とくにこの後文學界を高いカネ出して買うまでの作品にはならないかな、といったのが正直な所。
豚であるがゆえの面白さは、少なくとも連載第一回目にはそれほど感じなかったのであります。

とするなら、矢作俊彦については、今出ている単行本でもチェックしたほうがいいんだろうなあ。
以前評判になった「スズキさん」「あ・じゃ・ぱん」なんかが、それほど私には面白く感じられず、その後やそのあいだ？に出た単行本は殆ど読んでいないのである。
若い頃はけっこうむさぼり読んでいたんだが。