2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『新潮』 2007.3

こんなんばっかだけど、今ごろになって3月号の巻頭小説を読み終わったぜ。 こないだ、かなり久しぶりに風邪引いた影響も大きい。

『城砦』加賀乙彦

これは連載が長いので、人間関係などあまり分からずによんでいるが、さすがベテランだけあって毎号そこそこ読める。 ただし心理描写があまりに通俗的。 でもこんなものもあっていいんじゃないかな。単行本を買ってまで読まないけれどね。 少なくとも十文字実…

『神器―浪漫的な航海の記録』奥泉光

2月号ではちょっと停滞気味ではあったが、いよいよ怪しげな軍艦の任務が皆に発表されるところまでこぎつけた。 あいかわらずの奥泉ワールドなので、一年以上も連載しているが、グランドミステリーからとくに何が変わったということはない。 でもそれは奥泉…

『新潮』 2007.3

いま、自分の日記一覧をみてみたら、奥泉光の連載のレビューをしていなかったのに気づいた。

『軽薄姫』十文字実香

軽薄姫という題名のわりには、主人公の女性の軽薄っぽさが、少しも伝わってこないのだが、これは何なのか? 文学的な比喩、修辞に溢れた作品で、いちいち付き合ったのだが、これほど純文学的な深い内省を行うような人間は、もうそれだけで軽薄とはほど遠い、…

『壁の住民』堂垣園江

現代の中国人が主人公の小説。 基本的に文章も心理描写も上手い人だし、中国の少数民族の問題とか、都市部と農村部との落差とかよく調べているなあ、と思った。 ただ、現代の中国について興味がない人にとってまで面白いと言えるものになっているのかどうか…

『群像』 2006.2

暫く書いていなかったが、図書館で借りてきた一般書籍と、旧号を読んでいた。 だから今回のは、群像2月号の感想とはいえ、去年の群像である。