『対談−KYでも生きられる社会に』森達也×雨宮処凛

最近オモロない対談が目に余るが(川上未映子×福岡なんとかetc)、これも例外じゃない。森達也という人が、ワーキングプアとかその手の問題を頭ではやや理解してても実感としてほとんど分かってないこと、そして恐らくは、あまり分かろうとしていないことが感じ取れる。結局いつの時代もある問題だみたいな反応を未だしてるし、興味もそれほどなさそうなのだ。だって雨宮にけっこう痛い所突かれてるのに、ほとんど抵抗してないからね。執着がない。で死刑制度の問題とか自分のテリトリの問題だと熱くなる感じ。
それともう一つ、相手が年下の女性だと、まるでもう人生の先輩面してしまってるところが読んでいて不快にさせる。こういうタイプのオヤジ巷にはよくいるが、フリーの文筆関係の人では珍しい。
雨宮のほうで気になるのは自分が左翼と言われてそれをやたら引き剥がそうとすること。政治は、ウヨクサヨク云々は関係ないんです、みたいなことを言う。雨宮の今やってることが政治と関係ないなんてあまりにも無自覚な物言いだな。