『トゥワイス・トールド・テールズ』金井美恵子

こちらは覚悟した以上に読み辛い。
この読みづらさに比べれば、フォークナーだろうがピンチョンだろうがほとんどの小説は格段に読みやすい。
そしてこの読み辛さに耐え丹念に読み続ければ、面白い世界が広がってくるかというと、そんな事は全くないのだから虚脱してしまう。
もともとの内容がたいして面白くないというか、正直私の読解力では、子供時分の、乳母というかお手伝いさんというかそんな存在の若い女性とのあいだの思い出が語られている、ほぼそれだけ。
最後になってこれがなんかのシリーズのうちの一作であることが分かる。また虚脱。とはいっても一作目から読んでれば楽しめるのに、などとは言えないなあ。