『プレカリアートの憂鬱』雨宮処凛

当たり前のことだが、プレカリアートといっても様々な人がいるわけで、しかもそれが毎度毎度面白い。今回はマルクスを研究するところまでいってしまった人。
マルクスか。そういえばワーキングプアなんてよく考えてみれば、マルクス疎外論そのまんま、どころか、まるでデフォルメされた存在じゃないだろうか。
もしかしたら私の疎外論の理解がまちがっているのかもしれないけど。(マルクスのいう疎外って、工場でクルマを作っている労働者がそのクルマには乗れないみたいな事じゃなかったっけ?)
というふうにマルクスなんて原著にあたるどころか、解説書で済ませ、その解説の理解すらできていない私のようなひとには、これからマルクスを研究して世界を変えてやる、という人の事などまったく笑えない。是非がんばって欲しいものである。
それにしても雨宮氏のいう事−稼げる人が稼げる社会はいいけど、かといってのほほんと暮らす人が生きていけないというのはオカシイぞ−には共感するなあ。
勝ち組企業に入ってバリバリと余裕のない人生をおくるのはその人の勝手だけれど、みんながみんな余裕がなくなってしまってはかえって社会の活力とか低下するんじゃないかなあ。
きっとつまらないだろうな、生きていて。