『決壊』平野啓一郎

今回は謎の男の独白めいた教唆でほとんどが占められていて、あまり起伏のある展開ではなかったが、それでもやはり面白い。冒頭なんとも後に引きずりそうな伏線もあり、いつもこれからどうなるのかドキドキしながら、あっというまに読み終わってしまう。便所であんなもの採取して、どうなるのか想像もつかん。
今まで、主人公らしきインテリ男とその弟夫婦と、前回今回で描かれたイジメられっ子とのつながりは全くなく、並行して物語は進められてきたのだが、そのイジメられっ子が今回理由なき殺害を教唆されており、その被害者として前者へつながっていくのだろうか?


マンガとかだと人気の連載は、ときにカラーとか増ページをやったりするが、『決壊』も増ページして巻頭近くにもってきたり(その場合は粗筋つきで)してもいいのではないか。どうでしょう編集者の方々?
そうしてくれたら保坂のくだらない連載があっても、まあいいやと許せたりするかも。